病人だけど考える人

ニュースとか医療についての日記

精神科医・夏苅郁子 2

家庭環境が良くない場合、大抵の子は悪い道に進む。あるいは、病気になってしまう。
彼女のように、頑張れる人は少ない。


でも、夏苅郁子さんも医学部に入ってから2度自殺未遂をした。後遺症なんでしょう。
ずっと心の中にもやもやしたものを抱えたままだったのですが、先輩に当たる精神科医に話をしたら、母に会いに行くべきだという。「小さいころから酷い目にあわされて憎んでいた母に会うことなどできない。」と言ったのですが、治療には、それが絶対必要だ。「私が付いていってあげるから、行こう」という。


母に会ったのは良かったんですね。あれだけ怖くて憎んでいた母に対する気持ちが変わった。母を許そうと思うようになった。だから、その先輩の精神科医には感謝している。でも、その先輩から相談料として支払ってくれという請求書が届く。その後も、いろいろ話は聞いてくれるのだけど、毎月請求書が届く。笑 治療しているつもりなんでしょうね。


その後、彼女に大きな影響を与えたのは、「我が家の母は病気です」(中村ユキ)と言う本。筆者に会いに行ったのですね。そのことが縁で、夏苅郁子さんも本を書くことになった。そんな過去の暗い話を公表するかどうか、ずいぶん悩んだそうですが、出版してから凄く反響があって全国から講演依頼が殺到しているようです。


>医者に成って30年 と公表してから3年間 どっちが濃い時間だと思うと公表してからの3年間が凄く濃い時間です。輝いていて本当に良い時間を過ごせている。


と言われている。同じような悩みを持った人も多いのでしょうね。